終活について 其の四 葬儀と告別式 葬儀 告別式

葬儀と告別式

 「通夜、告別式は都内●斎場で行われます」
 有名人がお亡くなりになるとこのようなニュース原稿が読まれることがあります。テレビ画面を見てみると僧侶が読経している姿が映し出されています。しかし本来「告別式」という言葉は中江兆民が亡くなる際に宗教色を排した荼毘を希望したときが始まりと言われます。つまり、告別式とは別れを告げる無宗教式を言うのです。ですから僧侶が読経供養しているのは告別式ではありません。

 現在、平塚市近辺の葬儀社のアナウンスでは、「通夜、葬儀告別式」という言い方をしてくれます。つまり、葬儀式後、導師が下がったあとに、故人の棺にお花を手向けたりしながら別れを惜しむ時間を告別式として宗教儀式とは区別しています。この方が正しい表現の仕方と言えるでしょう。大手テレビ局よりも地元葬儀社の方がプロとして正しいのです。

 人は生まれても必ず死にます。しかし命というものは糾(あざな)える縄のようなものです。かつて生きた人々の思いの上で生きているのがこの私です。その意味において葬儀式とは過去(死者)と今を生きる私(生者)の結び目となります。葬儀式は「お別れ会」ではありません。
 本当に「別れを告げる式」即ち告別式だけで良いのでしょうか。

 勿論、簡単に別れを告げられる関係ならば結構です。
 しかし本当に大切な人との関係は、たとえ肉体は消えても切れないものです。いや肉体が消えたからこそ強固な関係を再確認することもあるのです。お別れを言えば区切りがつくような世俗の関係を超えたところの繋がりを再確認し、リスタートするのがお葬式であり、その結び目となるのが葬儀式です。だから私ははっきりと区別したいのです。葬儀式と告別式とは全く違うものなのです。
 供養や葬儀は「死ぬ」側だけでなく、「死なれる」側にも大きな意味を与える行為であることも忘れてはなりません。

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